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特集 失行
構成失行—その概念と左,右半球損傷例の差異について
著者: 久保浩一12
所属機関: 1埼玉医科大学第3内科 2埼玉医科大学神経内科
ページ範囲:P.1007 - P.1012
文献購入ページに移動I.はじめに
構成失行constructional apraxiaは,Kleist(1912)によって他の失行症から分離され,以後,独立の失行型として認められて来た。しかし,現在では構成失行という用語はKleistが用いたときよりも広い意味に使われている。また,Kleist(1922/1934)1)は構成失行の責任病巣として左頭頂葉後部を重視していたが,PatersonとZangwill(1944)2)の研究は右半球の損傷によっても構成失行が起こることを示し,以後の研究は左,右半球損傷による構成失行に差異があるか否かに集中することになった。
本稿では,これらの点を中心に,主要な文献について考察してみたい。
構成失行constructional apraxiaは,Kleist(1912)によって他の失行症から分離され,以後,独立の失行型として認められて来た。しかし,現在では構成失行という用語はKleistが用いたときよりも広い意味に使われている。また,Kleist(1922/1934)1)は構成失行の責任病巣として左頭頂葉後部を重視していたが,PatersonとZangwill(1944)2)の研究は右半球の損傷によっても構成失行が起こることを示し,以後の研究は左,右半球損傷による構成失行に差異があるか否かに集中することになった。
本稿では,これらの点を中心に,主要な文献について考察してみたい。
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