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文献詳細

雑誌文献

精神医学23巻10号

1981年10月発行

文献概要

特集 失行

構音失行の診断上の2,3の問題点について

著者: 重野幸次1

所属機関: 1伊豆韮山温泉病院内科

ページ範囲:P.1033 - P.1040

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Ⅰ.緒言
 構音失行(articulatory apraxia)は,脳損傷による話しことば(語音表出)の障害で,構音筋群(口唇,咽頭,舌)に運動麻痺や協調運動障害がないにもかかわらず合目的かつ意図的構音(発話)が損われている状態をいう。構音失行は純粋例をみることは稀で,ふつう運動性失語症の主症状としてみられるが,これまでこの症候に与えられた数多くの呼称に象徴されるよう,その病態の解釈,一臨床症候としての独立性については未だ統一された見解がないのが現状である。筆者は,本小稿においてまず失行症という立場からこの症候の臨床診断上の幾つかの留意点を述べる。次に今日に至るまで用語上の混乱を招いた経緯を整理した上自験症例より本症候の臨床的特徴,および失語症(特に運動性失語症)との鑑別点について述べてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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