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文献詳細

雑誌文献

精神医学23巻12号

1981年12月発行

文献概要

研究と報告

てんかん発作の治療予後—成人例の治療施設間における比較

著者: 久郷敏明1 森光淳介1 細川清2 平田潤一郎3 辻治憲4 中岡清人4

所属機関: 1国立岩国病院神経科 2岡山大学医学部神経精神科 3津山積善病院 4恵愛会柳井病院

ページ範囲:P.1251 - P.1257

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 抄録 5年間以上治療を継続している成人の外来てんかん患者490例(大学病院群249例,国立病院群144例,精神病院群97例)を対象に,特に治療施設間の差異に注目して予後調査を行った。
 1)全症例を対象とした治療予後は,3年以上発作消失37.1%,著者らの規準による軽度29.8%,中等度19.8%,重度13.3%であった。
 2)治療予後を治療施設別にみると,国立病院群で最も予後が良く,大学病院群で不良という傾向があった。
 3)治療予後規定因子を明らかにするために,各種要因につき統計学的検討を行った。有意差を示したのは,臨床発作型,初診前罹病期間,治療前発作頻度,病因,精神症状,社会適応状況の6項目であった。しかし,以上の項目の治療施設別構成の検討から,独立した治療予後規定因子は臨床発作型のみであり,他は副次的要因であるものと考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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