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文献概要
追悼
村松常雄先生を悼む
著者: 堀要1
所属機関: 1名古屋大学
ページ範囲:P.1306 - P.1307
文献購入ページに移動 名古屋大学名誉教授村松常雄先生の名古屋大学での足跡と先生のひととなりをしのび追悼の意を表します。
先生との直接の私の出会いは先生が名古屋大学教授に決定してまもなくであった。当時の医学部長戸刈近太郎先生が,私に助教授になってはどうかといわれたので,私は,それは教授の意向によるのではないでしようかと申しましたところ,戸刈先生は私に直接村松先生に会って意向をきくようにとのことで,私は村松先生の自宅を訪れることになった。私はお訪ねした事情をのべ,教授選考に関係しての私の知るかぎりの事情と,私自身の動きとを卒直にありのままに申しあげた。村松先生も,おそらく他にはおもらしにならないであろうことまでも卒直にお話し下さった。私は村松先生のひととなりの一面をはっきりと活き活きと印象し,誤解も憶測もおこりようもない信頼感をもっていろいろ話しあったおわりに,先生が私の研究領域や研究方向が先生と全くちがっている方が問題がないのだが,といわれた。私はこれを先生が私を一個の学徒として尊重してくれているとうけとめることができたので,研究上の意見の相違は直接討論するのが正当で,私は助教授の役割の一つを教室員を教授に結びつけることにあると,信じているとおりにのべた。先生は私と教室員が十分に話しあうことを希望され,私はそれを実行した。
先生との直接の私の出会いは先生が名古屋大学教授に決定してまもなくであった。当時の医学部長戸刈近太郎先生が,私に助教授になってはどうかといわれたので,私は,それは教授の意向によるのではないでしようかと申しましたところ,戸刈先生は私に直接村松先生に会って意向をきくようにとのことで,私は村松先生の自宅を訪れることになった。私はお訪ねした事情をのべ,教授選考に関係しての私の知るかぎりの事情と,私自身の動きとを卒直にありのままに申しあげた。村松先生も,おそらく他にはおもらしにならないであろうことまでも卒直にお話し下さった。私は村松先生のひととなりの一面をはっきりと活き活きと印象し,誤解も憶測もおこりようもない信頼感をもっていろいろ話しあったおわりに,先生が私の研究領域や研究方向が先生と全くちがっている方が問題がないのだが,といわれた。私はこれを先生が私を一個の学徒として尊重してくれているとうけとめることができたので,研究上の意見の相違は直接討論するのが正当で,私は助教授の役割の一つを教室員を教授に結びつけることにあると,信じているとおりにのべた。先生は私と教室員が十分に話しあうことを希望され,私はそれを実行した。
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