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研究と報告
精神分裂病の急性期症状消褪直後の寛解後疲弊病相について
著者: 永田俊彦1
所属機関: 1順天堂大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.123 - P.131
抄録 分裂病の寛解過程をみていくと急性期症状の消褪直後に一過性の欠陥分裂病様の状態像が出現してくることがある。英語圏の諸家はこれをpostpsychotic depressionとして記述しているが,筆者はこれを「寛解前期」(中井)の遷延化と考え「寛解後疲弊病相」と命名した。この病相では言語活動は著明に低下しているため急性期の治療関係を通してのみ彼らの内的世界に接近し得る。ここでは,睡眠過剰,分裂病特異性の作業の障害,対人場面での「振舞い」の障害,「自明性の喪失」(Blankenburg)の内省,「負い目」の体験,未来・過去の時間体験の障害,その他の諸現象が認められた。これらを急性期との関連から3群に分け若干の検討を加え,この病相からの離脱について言及した。
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