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文献詳細

雑誌文献

精神医学23巻2号

1981年02月発行

文献概要

研究と報告

Pickwick症状群を呈した精神分裂病の1例

著者: 数川悟1 佐野譲1 山口成良1 炭谷信行2 倉田孝一3

所属機関: 1金沢大学医学部神経精神医学教室 2石川県立高松病院 3福井松原病院

ページ範囲:P.161 - P.167

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 抄録 19歳で発症し,独語,被害・誇大妄想などで49歳より入院中の55歳,男子精神分裂病患者に多食,いびき,肥満,日中の傾眠がみられ,チアノーゼを伴う呼吸困難発作を生じた。Broca指数+24.3%,赤血球数524万。動作緩慢で著明な精神作業能力の低下を認めたが,入眠時幻覚の他に内的体験の異常はない。終夜睡眠ポリグラフィーで周期性無呼吸が認められ,精神分裂病に伴ったPickwick症状群と診断した。睡眠は不安定で,Stage 1とStage 3の増加,Stage 2の著明な減少がみられ,sleep spindleが非常に乏しかった。換気停止はStage REMでは閉塞型が多いが,Stage 1では中枢型であった。カロリー制限をし,ベッド頭部を挙上し側臥位で睡眠させることで症状の改善がみられた。精神症状とPickwick症状群の合併について検討し,無呼吸出現に中枢性の機序の関与が示唆されることから,本症状群における中枢性病因の可能性について考察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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