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研究と報告
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抄録 心理劇は,慢性分裂病者に対する1つの有効な活動集団療法と見なされる。だが自己や周囲への重い関係障害をもつ患者の場合は,ウォーミングアップからドラマへ進む,型通りの手順をとるのは困難である。筆者はこれを媒介するものとして,プレドラマとも呼ぶべき段階を工夫し,設定した。プレドラマは日常的生活場面のイメージに基いて展開する。その特徴は,ドラマほどの課題性を帯びず,患者に病的反応を惹き起す危険を避けつつ,しかも自発性を強化する機会が期待できる点にある。
しかしプレドラマの設定で直ちにドラマの成立が可能になりはしない。ウォーミングアップから絶えず患者の自発性を促すように場面を積み重ね,プレドラマ段階自体も明らかには識別しにくいような,関係発展の〈流れ〉を保持しえた場合にのみドラマへ移行できる。
しかしプレドラマの設定で直ちにドラマの成立が可能になりはしない。ウォーミングアップから絶えず患者の自発性を促すように場面を積み重ね,プレドラマ段階自体も明らかには識別しにくいような,関係発展の〈流れ〉を保持しえた場合にのみドラマへ移行できる。
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