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文献詳細

雑誌文献

精神医学23巻3号

1981年03月発行

研究と報告

発作性の自己像幻視

著者: 扇谷明12 河合逸雄1 大橋博司1 藤繩昭3

所属機関: 1現京都大学付属病院精神神経科 2国立療養所静岡東病院 3京都大学教養部心理学教室

ページ範囲:P.239 - P.243

文献概要

 抄録 発作性の自己像幻視はてんかん発作に伴って現われるものであり,その症状から3型に分類された。①鏡に写すようにもう1人の自分を眼前に見るもの(鏡像型),②過去の回想の場面の中にもう1人の自分を見るもの(場面型),③自分のその願望を転移した形でもう1人の自分を見るもの(転移型)。この発作性の自己像幻視の3型はそのてんかん発作との関連で,鏡像型は部分てんかんの前兆としてみられ,場面型は部分てんかんの1型である精神運動発作の前兆としての夢幻状態dreamy stateでのみみられ,転移型は発作後のもうろう状態でみられた。その局在部位との関連では鏡像型は特定の部位は決められず不定であり,場面型はすべて側頭葉が関与し,転移型は非特異であった。半球優位については鏡像型,場面型とも右側が多かった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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