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文献詳細

雑誌文献

精神医学23巻3号

1981年03月発行

文献概要

研究と報告

大脳皮質にもLewy小体の出現を見た非定型な初老期痴呆の1剖検例

著者: 門間好道1 高松幸作1 伊藤智子2 小笠原暹3 高階憲司4 早川純子4

所属機関: 1東北大学医学部精神医学教室 2国見台病院 3岩手県立南光病院 4東北会病院

ページ範囲:P.267 - P.275

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 抄録 臨床的に進行性の痴呆,筋強剛,振戦等が認められ,神経病理学的にアルツハイマー病とピック病の特徴を同時に有するとともに,特発性パーキンソニズムに一致する所見もあり,さらに,Lewy小体が脳幹部のみならず大脳皮質にも広範に出現した非定型な初老期痴呆の1剖検例を,大脳皮質のLewy小体の電顕像を含めて報告した。文献上,本例と同様の所見を有する症例は1976年に小阪らが報告した1例だけであるが,類似の特徴を有している症例についても比較考察した。また,大脳皮質に出現したLewy小体の電顕像についても,文献的に考察した。
 これまでに本例のような非定型な初老期痴呆を明確に位置づけうるような知見は十分には得られておらず,その本態については,今後さらに症例の蓄積を待って検討すべきものと考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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