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雑誌詳細

文献概要

研究と報告

一卵性双生児における内因性うつ病の不一致例

著者: 佐藤讓二1 新福尚武1 飯田真2

所属機関: 1東京慈恵会医科大学精神神経科教室 2東大分院神経科

ページ範囲:P.285 - P.289

 抄録 一卵性双生児の片方のみに内因性うつ病を呈した症例について報告した。症例は女性で現在47歳である。うつ病を発症したのは妹であるが,姉も過去に一過性の神経症様症状を呈したことがあり,また本症例にも以前に神経症レベルのものと考えられる症状の出現がみられた。すなわち,この双生児は神経症については一致するが,内因性うつ病については不一致であった。この不一致の理由として,性格の違いおよび生活環境の違いをあげ,特に幼児期に形成された性格構造の相違を母との関係において検討した。また,姉は循環気質で社会的適応性に富み常識的な価値判断を有しているが,妹はメランコリー型で依存的,神経質な傾向がみられ,このメランコリー型が先鋭化することによって,うつ病が発症したと推察した。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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