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文献詳細

雑誌文献

精神医学23巻4号

1981年04月発行

文献概要

研究と報告

うつ病の比較文化精神医学的研究—日本とスイス

著者: 北西憲二1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学精神神経科教室

ページ範囲:P.331 - P.339

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 抄録 日本,スイスのうつ病者83名を対象に,これらをA群(日本の単相型群),B群(スイスの単相型群),C群(日本の両相型群)の3群に分け,Hamilton Rating Scale(HRS),罪責体験・恥体験に関する質問紙を用いて,比較文化的症候論を試みた。
 HRS各項目の分析からは,文化規定的症状として精神運動抑制のみがあげられるが,うつ病という現象に対する体験の仕方は両国では異なり,日本のうつ病者は他者との関連で把握する傾向があるのに対し,スイスの病者は症状そのものを鋭く把握する。
 罪責体験・恥体験では,両国の病者とも,恥体験に対する罪責体験の優位と両者の3親和性を認めたが,その体験内容は対照的な方向を示した。
 対象群の共通症状として推定できるのは,身体症状を前景とした単純なうつ病像で,これらの臨床的現われがうつ病中核群であると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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