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文献詳細

雑誌文献

精神医学23巻4号

1981年04月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病患者の血漿ならびに髄液中のImmunoreactive β-EndorphinとACTHの動態

著者: 東村輝彦1 三好新之祐1 林修1 名倉益男2 中尾一和3 中井義勝3 井村裕夫3

所属機関: 1藍野病院神経精神科 2京都大学医学部精神神経科 3京都大学医学部第二内科

ページ範囲:P.367 - P.370

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 抄録 Radioimmunoassayにより精神分裂病患者19名の血漿中ならびに髄液中の免疫学的β-endorphinとACTHを測定したが,対照群との間に有意の差はみられなかった。これは精神分裂病のendorphin過剰説を否定するものであり,β-endorphinを減少させることによって,血液透析が精神分裂病患者に有効とするPalmourらの説は疑問視せざるをえない。
 血漿中の免疫学的β-endorphinと髄液中のそれとは相関関係がみられず,髄液中の免疫学的β-endorphinとACTHとの間に高い正の相関関係がみられた。これは,β-endorphinが,血中と髄液中では異なった分泌調節を受けており,血中から髄液中へのβ-endorphinの移行は,たとえあってもごくわずかであり,β-endorphinとACTHは,共通の前駆体pro-opiocortinから生成されるのみでなく,分泌作用においても密接な関係にあることを示しており興味ある所見といえる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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