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文献詳細

雑誌文献

精神医学23巻4号

1981年04月発行

文献概要

研究と報告

抗てんかん薬服用者の血清酵素活性—γ-GTP,LAP,ALP,GPTおよびLDHについて

著者: 竹下久由1 浜崎豊1 川原隆造1 譜久原朝和1 挾間秀文1

所属機関: 1鳥取大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.371 - P.378

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 抄録 72例の通院てんかん患者について抗てんかん薬服用患者にみられるγ-GTPやLAP,ALP,GPT,LDHなどの血清酵素活性上昇の意義や臨床的背景について検討した。その結果,γ-GTP 55.6%のほかLAP 43.1%,LDH 22.0%,ALP 18.0%,GPT 13.9%などの上昇が認められ,LAPの活性はγ-GTPと同様男が女よりも高く,1日の服薬剤数やDPH,PBなどの投与量に比例して上昇していた。また本酵素活性値は他の酵素とそれぞれ正の相関を示したが,血清Caや無機Pとの間には相関を示さなかった。一方γ-GTPの活性もLAPと同様ほとんどの酵素と正の相関を示していたが,無機Pとの間には負の相関が認められた。またALPは血清無機Pとは負の相関を示した。これらの結果から,ALPの活性上昇には骨障害が関与しているとしても,血清酵素活性の上昇は肝における抗てんかん薬による非特異的な酵素誘導によりもたらされている可能性が強いことを示唆した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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