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研究と報告
二重盲検法によるCarbamazepineの躁うつ病予防効果の研究
著者: 大熊輝雄1 稲永和豊2 大月三郎3 更井啓介4 高橋良5 挾間秀文6 森温理7 渡辺昌祐8
所属機関: 1東北大学精神医学教室 2久留米大学精神神経科学教室 3岡山大学神経精神医学教室 4広島大学神経精神医学教室 5長崎大学精神神経科学教室 6鳥取大学神経精神医学教室 7慈恵会医科大学精神神経科学教室 8川崎医科大学精神医学教室
ページ範囲:P.379 - P.389
文献購入ページに移動対象には躁うつ病両極型あるいは躁うつ病躁型の症例で,本試験開始前2年間に少なくとも毎年1回の病相を持ち,そのうち1回は躁病相であったものを選定した。carbamazepineの1日用量は通例200〜600mgを使用し,時には1200mgまで増量した。投与期間は1年間であった。その結果,carbamazepine群の12例では,著効5例,有効1例,やや有効1例,無効3例,悪化0例および判定不能2例で,有効率(著効および有効例)60%を示していた。一方,プラセボ群の10例では,著効1例,有効1例,やや有効2例,無効4例,悪化1例および判定不能1例で,有効率22.2%であった。本試験の成績はcarbamazepineがプラセボに比べすぐれた傾向にある(U test,P<0.10)ことを示すもので,躁うつ病の予防薬として有用であることを示唆するものであった。
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