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文献詳細

雑誌文献

精神医学23巻4号

1981年04月発行

文献概要

研究と報告

二重盲検法によるCarbamazepineの躁うつ病予防効果の研究

著者: 大熊輝雄1 稲永和豊2 大月三郎3 更井啓介4 高橋良5 挾間秀文6 森温理7 渡辺昌祐8

所属機関: 1東北大学精神医学教室 2久留米大学精神神経科学教室 3岡山大学神経精神医学教室 4広島大学神経精神医学教室 5長崎大学精神神経科学教室 6鳥取大学神経精神医学教室 7慈恵会医科大学精神神経科学教室 8川崎医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.379 - P.389

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 抄録 躁うつ病に対するcarbamazepineの予防効果について,22例の患者を対象に多施設共同研究でプラセボを対照薬とした二重盲検試験を行なった。
 対象には躁うつ病両極型あるいは躁うつ病躁型の症例で,本試験開始前2年間に少なくとも毎年1回の病相を持ち,そのうち1回は躁病相であったものを選定した。carbamazepineの1日用量は通例200〜600mgを使用し,時には1200mgまで増量した。投与期間は1年間であった。その結果,carbamazepine群の12例では,著効5例,有効1例,やや有効1例,無効3例,悪化0例および判定不能2例で,有効率(著効および有効例)60%を示していた。一方,プラセボ群の10例では,著効1例,有効1例,やや有効2例,無効4例,悪化1例および判定不能1例で,有効率22.2%であった。本試験の成績はcarbamazepineがプラセボに比べすぐれた傾向にある(U test,P<0.10)ことを示すもので,躁うつ病の予防薬として有用であることを示唆するものであった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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