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文献詳細

雑誌文献

精神医学23巻4号

1981年04月発行

文献概要

研究と報告

けいれん発作,ミオクローヌス,精神発達遅滞を持つ先天性脳梁欠損症の1例とミオクローヌス,精神発達遅滞を持つその同胞について

著者: 勝井丈美1 内藤明彦1 三浦まゆみ1 新井弘之2

所属機関: 1新潟大学医学部精神医学教室 2桑名病院脳神経外科

ページ範囲:P.391 - P.396

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 抄録 症例は15歳の男子。けいれん発作,ミオクローヌス,重度精神発達遅滞を持ち,その同胞にも同様の精神発達遅滞と全身のミオクローヌスがあったため,症候学的に家族性ミオクローヌスてんかんが疑われたが,頭部CTスキャンにより,先天性脳梁欠損症であることが判明した症例を報告した。
 先天性脳梁欠損症の臨床像として,従来の報告の中にはほとんど見られない,ミオクローヌスを合併していた点が特異であった。
 脳梁欠損がいかなる大脳機能の異常,あるいは臨床症状を生じうるかについて,半球間連合障害症候群を中心に,文献的考察を行ない,本症例の臨床症状は,脳梁欠損そのものに由来するものではなく,脳梁欠損以外の脳損傷によるものであろうと推論した。また,本症例とその同胞の臨床像を検討し,両者に共通な病因の可能性について論じた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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