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研究と報告
男子二卵性双生児の一方(弟)にみられた思春期やせ症の1例
著者: 酒井明夫1 岡本芳文1 斎藤徹1 斉藤潔1 阿部広子1 宮崎貴代花1 三田俊夫1 切替辰哉1
所属機関: 1岩手医科大学神経精神科学教室
ページ範囲:P.405 - P.412
文献購入ページに移動今回われわれは,男子二卵性双生児の弟にのみ発症した思春期やせ症の一例を報告した。患者は高校2年時に発病し,やせの希求とそれに伴う体重減少,強迫的な行動や生活様式などを示した。本症例における成熟嫌悪は,父親に象徴される男性性の否定として出現していると考えられるが,性格や体格の面で著しく異なり,患者に比してより健康な成熟をとげつつある兄に代表される男性性の拒否と,兄とは異なる位置に自身を置こうとした患者の心理規制が,本疾患の発現に重要な役割を有すると考えられた。
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