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文献詳細

雑誌文献

精神医学23巻4号

1981年04月発行

文献概要

研究と報告

男子二卵性双生児の一方(弟)にみられた思春期やせ症の1例

著者: 酒井明夫1 岡本芳文1 斎藤徹1 斉藤潔1 阿部広子1 宮崎貴代花1 三田俊夫1 切替辰哉1

所属機関: 1岩手医科大学神経精神科学教室

ページ範囲:P.405 - P.412

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 抄録 思春期やせ症の男子例についての報告はわが国ではまだ少ない。特に男子の双生児における本疾患の問題を扱った報告はまだわれわれの知るかぎりではみあたらない。
 今回われわれは,男子二卵性双生児の弟にのみ発症した思春期やせ症の一例を報告した。患者は高校2年時に発病し,やせの希求とそれに伴う体重減少,強迫的な行動や生活様式などを示した。本症例における成熟嫌悪は,父親に象徴される男性性の否定として出現していると考えられるが,性格や体格の面で著しく異なり,患者に比してより健康な成熟をとげつつある兄に代表される男性性の拒否と,兄とは異なる位置に自身を置こうとした患者の心理規制が,本疾患の発現に重要な役割を有すると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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