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研究と報告
思春期の幻覚・妄想症状
著者: 坂口正道12
所属機関: 1東京大学分院神経科 2現所属:都立松沢病院
ページ範囲:P.437 - P.447
文献購入ページに移動 抄録 15歳以下で幻覚・妄想症状を呈して入院観察を要した63例(男子28例,女子35例)について,幻覚・妄想の発現形態を中心に性別,初回発現年齢,知的レベルとの関連や経過型,予後などの資料を提示し,併せて児童期心性や文献的考察を検討し,データ上の諸特徴を論じた。
(1)経過診断名では分裂病36例,神経症圏6例,知的問題+環境反応型10例などが多い。
(2)女子に体感幻覚が多く,この関連から思春期における男女両性の症候学的差異を考察した。
(3)思考伝播,作為体験,妄想気分などが疾患的特異性を有さず広汎にみられた。
(4)児童期心性との関連性は一般に乏しく成人的な妄想加工やパラノイア傾向もみられなかった。
(5)いわゆる接枝分裂病との関連からホスピタリズムの問題性について若干言及した。
(1)経過診断名では分裂病36例,神経症圏6例,知的問題+環境反応型10例などが多い。
(2)女子に体感幻覚が多く,この関連から思春期における男女両性の症候学的差異を考察した。
(3)思考伝播,作為体験,妄想気分などが疾患的特異性を有さず広汎にみられた。
(4)児童期心性との関連性は一般に乏しく成人的な妄想加工やパラノイア傾向もみられなかった。
(5)いわゆる接枝分裂病との関連からホスピタリズムの問題性について若干言及した。
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