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研究と報告
青年期女性にみられる多食・無気力症候群について
著者: 中河原通夫1 新谷昌宏1 小見山実1
所属機関: 1東京医科歯科大医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.449 - P.455
文献購入ページに移動1)3症例は,いずれも女性であり,発症年齢は20歳台で青年後期にあたっていた。
2)多食症状は,結婚,就職という家からの自立に挫折した際に出現していた。
3)多食症状に伴なって,無気力症状の出現が認められた。
以上の点から,多食症状は,青年前期に女性の成熟拒否として出現する神経性無食欲症とは異なり,青年後期の男性に認められるapathy syndromeと類似の背景をもつ独立した病態と考えられた。
さらに,apathy syndromeと多食症状との病態の差異について,青年前期に出現する対人恐怖と神経性無食欲症とを対比させながら,成熟や自立に際しての課題に男女の差があるという観点から考察を加えた。
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