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雑誌詳細

文献概要

研究と報告

躁うつ病の発病状況について

著者: 大久保健1 市川潤2

所属機関: 1弘前大学医学部神経精神医学教室 2市立函館病院分院

ページ範囲:P.457 - P.464

 抄録 躁うつ病の発病状況論は,周知の如く,特有な病前性格と,その病前性格をめぐる特徴的な発病状況との間の本質的関連性の認識を基盤として発展してきた。最近の研究の動向は病前性格の発達論および発病状況の成立過程の分析へと焦点が向けられている。本論文では,躁うつ病,うつ病および躁病と診断された計60例の詳細な病歴を資料とし,発病状況のなりたちについて精神病理学的に検討を加えた。その際,とくに誘因それ自体のなりたちが多重的,発展的あるいは持続的である点に注目し,発病に至るまでの病者の生活状況とあわせて全面的かつ継続的な観点から発病状況を考察する必要があることを強調した。また,発病状況のなりたちに関して,3つの特徴ある類型,すなわち重複型,拡大型,持続型に分けて考察した。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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