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研究と報告
出稼ぎ者精神障害についての臨床精神医学的研究—精神分裂病,非定型精神病を中心として
著者: 布施清一1
所属機関: 1布施医院
ページ範囲:P.551 - P.559
文献購入ページに移動 抄録 出稼ぎ者精神障害(精神分裂病80例,非定型精神病22例)の発病を,出身地と異った社会・文化,言語(特に方言)環境との接触という視点からとらえ,以下の結論を得た。
1)津軽の小都市,農漁村から,大都市およびその周辺地域に出稼ぎに出ることは,精神分裂病,非定型精神病の発病,病像,経過に少なからざる影響を与えることが認められた。
2)発病の契機として,言語,社会・文化的環境の差異があげられるが,特に方言の問題が大きな要因となっており,入院後の患者の言語表現,変化が,病像改善の指標となり得た。
3)出稼ぎ者精神障害の発病状況と,海外留学中に発病した精神障害者の発病状態との間に,共通点が多かった。しかし精神分裂病,非定型精神病の発病状況の間に相違点がみられた。
1)津軽の小都市,農漁村から,大都市およびその周辺地域に出稼ぎに出ることは,精神分裂病,非定型精神病の発病,病像,経過に少なからざる影響を与えることが認められた。
2)発病の契機として,言語,社会・文化的環境の差異があげられるが,特に方言の問題が大きな要因となっており,入院後の患者の言語表現,変化が,病像改善の指標となり得た。
3)出稼ぎ者精神障害の発病状況と,海外留学中に発病した精神障害者の発病状態との間に,共通点が多かった。しかし精神分裂病,非定型精神病の発病状況の間に相違点がみられた。
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