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文献詳細

雑誌文献

精神医学23巻6号

1981年06月発行

文献概要

研究と報告

抗精神病薬による乳汁漏出について

著者: 井上寛1 狭間秀文1 小椋力1 田村辰祥1 井上絹夫2 永見実3

所属機関: 1鳥取大学医学部精神神経科 2但馬病院 3広江病院

ページ範囲:P.579 - P.584

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 抄録 抗精神病薬服用中の女性精神分裂病者の20,30歳台(79名),および50,60歳台(32名)について自然あるいは軽度乳房圧迫により乳汁漏出の有無を確認した。その結果,前者で56.9%,後者で40.6%に乳汁漏出が認められた。血漿プロラクチン値は乳汁漏出のある群がない群に比し高い傾向にあることがわかった。服用中の抗精神病薬1日量をchlorpromazine(CPZ)に換算して乳汁漏出との関係をみると600mg/日以下では乳汁漏出のあるものは55%であるが,CPZ 600mg/日以上になると乳汁漏出は62%と多く認められ,血漿プロラクチン値は著しく高くなる。乳汁漏出のあるもののうち6cc以上採乳可能な3症例の乳汁についての成分分析を行ったが,正常婦人の乳汁分析結果とは著しく異ったものであった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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