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文献詳細

雑誌文献

精神医学23巻8号

1981年08月発行

文献概要

研究と報告

分裂病の初回入院治療の成績と経過との関係について

著者: 殿村忠彦1 鈴木恒裕1 加藤淑子1

所属機関: 1国立療養所東尾張病院

ページ範囲:P.777 - P.785

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 抄録 分裂病の経過研究の方法として,規模の大きな調査と並んでもう一つ小規模だがきめ細かな追跡研究があってもよいと考えわれわれの病院のデータを提示した。
 われわれの病院は200床程度の中規模病院で,開設当初からさいわい診断基準,治療方針を同じうする6人のメンバーで10年間治療活動を行った関係上,大ていの入院患者について6人のすべてが知悉しているという特異性があった。
 1)昭和45年9月からの満5年間にわれわれの病院を初診した988人の患者のうち「初めて治療を求めてきて入院の必要のあった分裂病者」138名について,初回退院時の治療効果,治療開始後2年時点・4年時点の社会適応を中心に調査した。
 2)初回退院時完全寛解,不全寛解は70%に達した。初診から2年後の適応状態より4年後の適応状態の方が良かった。初回退院時転帰の良い症例は4年後の適応状態がよい。初回入院期間,発病から治療開始までの期間と4年後の適応状態との間には関係がなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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