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文献詳細

雑誌文献

精神医学23巻8号

1981年08月発行

文献概要

研究と報告

自閉症,精神遅滞の神経生理学的研究—とくに臨床脳波学的視覚,聴覚誘発電位法による比較検討

著者: 千葉健1 青木恭規2 北脇雅之1 白橋宏一郎1

所属機関: 1国立仙台病院精神科 2青木クリニック

ページ範囲:P.799 - P.808

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 抄録 知能障害が軽度の自閉症Ⅰ群10名,より重度の自閉症Ⅱ群14名,精神遅滞群12名,統制群12名の4群と自閉症Ⅰ群,Ⅱ群を併せた自閉症群24名,精神遅滞群24名,統制群24名の3群について,臨床脳波学的ならびに視覚,聴覚誘発電位の検索をおこなった。その結果,境界線域,問題所見をも含めた脳波異常の出現率は自閉症群>精神遅滞群>統制群の順になった。つぎに誘発電位における各成分の群平均よりの逸脱は,VEPでは3群比較においてのみ潜時,振幅ともに,AEPは3群,4群の比較ともに潜時でのみ自閉症群(Ⅰ群>Ⅱ群)>精神遅滞群>統制群の順に逸脱をみとめた。また,各成分の潜時の群間比較より,VEPは3群比較で後期成分に,AEPは3群間で早期,後期成分ともに自閉症群>精神遅滞群>統制群の順に延長をみとめ,振幅,左右差にも同様の傾向をみとあ,自閉症と精神遅滞の間には脳機能上何らかの差異が推測された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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