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文献詳細

雑誌文献

精神医学23巻8号

1981年08月発行

文献概要

研究と報告

抗てんかん剤Acetazolamideの混合唾液中の濃度

著者: 畑田尚哉1 東均2 乾正2

所属機関: 1大阪府立金剛コロニー臨床検査室 2大阪大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.809 - P.814

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 抄録 生体内で薬理活性をもっているのは血漿中に遊離して存在する蛋白非結合型薬物であると考えられている。抗てんかん剤の場合も最近は血漿中の総濃度よりも非結合型濃度が重視されるようになった。この非結合型濃度をその唾液中濃度を測定することにより簡単に知ることのできる薬物がある。たとえばdiphenylhydantoinがそれである。
 われわれはpH-changing法によりacetazolamideの体液中濃度を測定しているが今回はその唾液中濃度を定量し,これと血漿中総濃度,血漿水中濃度(非結合型濃度)との関係を検討した。
 Acetazolamideの混合唾液中の濃度と血漿中の非結合型濃度との間には高い相関(直線回帰式Y=0.948X+0.026,相関係数r=0.932)がみとめられた。
 したがってacetazolamideの抗てんかん剤としての治療有効濃度を論ずる場合にも唾液中濃度をもってその指標とみなし得ると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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