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文献詳細

雑誌文献

精神医学23巻9号

1981年09月発行

文献概要

研究と報告

本邦におけるMichigan Alcoholism Screening Test(MAST)の検討

著者: 三田村幌1 山家研司1 岡本宜明1 小片基2

所属機関: 1旭山病院 2北海道精神衛生センター

ページ範囲:P.903 - P.911

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 抄録 本稿では先に発表したMASTの資料の考察を,内外の文献との比較をもとに行い,“Alcoholism” Screening Testの基本的問題を明らかにした。
 (1)MASTの抽出しようとしているAlcoholism概念は今日の依存概念を軸とした考え方とやや異っている。
 (2)抽出されているのはself-identifiedされたalcoholicが主になり,denialによってfalse negativeを生じる可能性は否定できない。
 (3)質問は主にアルコールに関連したsocial disabilitiesとphysical disabilitiesであり,依存の直接的徴候である諸症状の質問が必ずしも充分でない。
 (4)テストの実施は自己記載法が実用的であり,他の方法に較べて大きな差を認めない。家族に問う方法も信頼できる。
 (5)選別基準および加重点について本邦のMASTの結果は一応の有効性を得ているが,実用上,技術上なお検討を要する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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