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文献詳細

雑誌文献

精神医学23巻9号

1981年09月発行

文献概要

研究と報告

精神症状を呈した側頭動脈炎とS. L. E. の合併症

著者: 笠正明1 人見一彦1 岡田幸夫1 山本博2 辻村大次郎2

所属機関: 1近畿大学医学部精神医学教室 2近畿大学医学部第2内科

ページ範囲:P.913 - P.919

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 抄録 側頭動脈炎は,Hortonらが1934年,一疾患単位として確立し,現在では自己免疫疾患として認められているが本邦においては,症例が少なく,精神症状の記載もない。
 我々は,抑うつ状態に初まり拒否的態度から幻視を伴なうせん妄状態に陥り約1ヵ月の経過で急激に回復した側頭動脈炎と全身性エリテマトーデス(S. L. E. )の合併した症例を経験した。
 この症例では,CT scanに側頭・後頭葉の脳硬塞病変が発見されており,幻視を中心とする精神症状との関連において非常に興味あると思われたので,症状精神病の病像と脳器質病変の関連を中心に,若干の文献的考察を加えた。
 又,この症例においては,治療状況・家族生活史の問題など心理反応的な側面も明瞭であったので,このような身体的基盤・心理的側面の両面より,症状精神病の病像形成にも考察を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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