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研究と報告
ダウン症候群と先天性甲状腺機能低下症を合併した小児の1例
著者: 有田忠司1 渡辺登美子1
所属機関: 1新潟大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.921 - P.926
文献購入ページに移動 抄録 症例は11歳8ヵ月の男児。身長91cmと小さく幼児体型を呈していた。全身に粘液水腫性変化が認められた。甲状腺腫は触知されなかった。骨年齢は約2歳と遅延発達指数は約10と遅滞していた。
染色体検査では47XY(21トリソミー)のダウン症候群を示した。
甲状腺機能検査は,T30.4ng/ml,T4<1μg/dl,TSH基礎値58.0μU/mlで,TRH負荷試験は過剰反応を呈した。24時間甲状腺131I摂取率は3.6%,甲状腺シンチグラムは形成不全を呈した。
抗甲状腺抗体が症例の血中に認められた。症例の母親にも抗甲状腺抗体が陽性であった。父親は陰性であった。
本症例はダウン症候群と甲状腺形成不全による先天性甲状腺機能低下症を合併した小児で,その発現要因として自己免疫機序の関与が示唆され,本邦初例と思われた。
染色体検査では47XY(21トリソミー)のダウン症候群を示した。
甲状腺機能検査は,T30.4ng/ml,T4<1μg/dl,TSH基礎値58.0μU/mlで,TRH負荷試験は過剰反応を呈した。24時間甲状腺131I摂取率は3.6%,甲状腺シンチグラムは形成不全を呈した。
抗甲状腺抗体が症例の血中に認められた。症例の母親にも抗甲状腺抗体が陽性であった。父親は陰性であった。
本症例はダウン症候群と甲状腺形成不全による先天性甲状腺機能低下症を合併した小児で,その発現要因として自己免疫機序の関与が示唆され,本邦初例と思われた。
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