精神医学23巻9号

1981年09月発行

研究と報告

精神病症状を示したLaurence-Moon-Biedl症候群の1例

著者： 中村清史¹ 溝口正美¹ 島田明範¹ 佐野欽一¹ 馴田利章¹ 石井正春² 田中健³

所属機関： ¹第二駿府病院 ²静岡大学障害児心理 ³田中医院

ページ範囲：P.927 - P.934

　抄録　肥胖，網膜色素変性，多指（趾）症，性器発育不全，遺伝性（血族結婚）の5つの主徴を持つLaurence-Moon-Biedl症候群で，しかも分裂病様症状をはじめ，多彩な臨床像を呈した1例を報告した。本症候群で精神病症状殊に分裂病様症状を示す例は，極めて稀とされており，長期にわたって観察された報告はみられない。本論文では，従来の文献例と比較検討しながら，分裂病様症状および情意・性格面の特徴などLaurence-Moon-Biedl症候群の精神症状全般について考察した。