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研究と報告
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抄録 放浪する分裂病者11例について報告した。彼らはいずれも寡症状で単純型分裂病者に類似する病像を示していた。放浪は他者との「関係性」を回避することに特徴づけられ,これによって急性期の人格解体が免れたり,頓挫されたりしたものと考えられる。このようにみると,単純型分裂病者は「ある状況」に関わらないという人間学的意味方向をたどり,放浪(ある場合には転職を含めて)を余儀なくされる分裂病者とも解される。このような観点から,分裂病の寡症状化に対する笠原の仮説に若干の検討を加えた。
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