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文献詳細

雑誌文献

精神医学24巻1号

1982年01月発行

文献概要

研究と報告

セネストパチーと躁うつ病—自験例と展望

著者: 遠藤俊吉1 山本裕水1 福田博文1 守谷直樹1 広瀬貞雄1

所属機関: 1日本医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.27 - P.34

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 抄録 躁うつ病とセネストパチーの関連については,Schwartzをはじめかなりの報告がみられる。しかしながら,そこで記載されているセネストパチーならびにそれが出現する病相は各報告によりさまざまで決して一様ではない。そこでわれわれはこの領域の報告を展望し,3例の自験例を加えて考察を行った。症例1は若年期に発病した両相型であるが,うつ病相で顔面などの崩壊感,神経切断感などを示し,症例2は初老期発病の循環型で,その異常体感は主として軽躁病期にみられ,口内・喉の縮小感,歯の溶解・消失感,頭内空虚感などむしろCotard症候群に近いものであり,Schwartzのいう限局性心気症あるいは皮膚寄生虫妄想類似のものではなかった。症例3は老人性うつ病例であり,うつ病相に皮膚寄生虫妄想類似の症候を示す症例に属するものであった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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