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文献詳細

雑誌文献

精神医学24巻1号

1982年01月発行

研究と報告

脳障害回復期にみられたヒステリーの2症例—Kraepelin,Kretschmer,Klagesの理論による解析

著者: 横井晋1 八木俊輔1 佐々木賢二1 岩成秀夫1 岩淵潔1

所属機関: 1横浜市立大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.35 - P.45

文献概要

 抄録 症例1は23歳の主婦で向精神薬による治療中悪性症候群を発し,各種治療によって軽快したが,その回復期に児戯的精神症状を主とする解離型のヒステリー発作を起した。
 症例2は39歳の主婦でウイルス脳炎に罹患し,治療による回復過程に転換型のヒステリー発作を起した。
 両例の発症に関しその背景となる親族間の軋礫,夫との問題について追求した。
 ヒステリーの生物学的,心理的機制はKraepelinの系統発生的に古い自己保存機構,Kretschmerの下層知性,下層意志機制の発現によっても説明可能と思われるが,Klagesの生の貧困すなわち造成過程の貧困による被影響性の亢進が最も適切な理論と思われる。
 われわれの2症例では脳障害による身体障害が生の貧困に拍車をかけていた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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