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文献詳細

雑誌文献

精神医学24巻1号

1982年01月発行

研究と報告

精神分裂病患者小集団の意志決定過程と治療的関与

著者: 亀山知道1 太田敏男1 宮内勝1 安西信雄1 平松謙一1 池淵恵美1 増井寛治1

所属機関: 1東京大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.47 - P.55

文献概要

 抄録 本研究の目的は,精神分裂病患者があらわす認知・思考の障害を,〈集団活動の動的な過程において〉把握することである。対象としてDay Hospitalの患者代表3名からなる委員会を選んだ。委員会での各発言を意志決定過程の段階分けという観点から,1.主題設定,2.関連する情報収集,3.情報の整理・起案,4.検討・吟味,5.判断・決定の5つのカテゴリーに分類し,正常(職員)集団のものと比較した。その結果,患者は関連する情報収集,検討・吟味の発言が少なく,判断・決定の発言が多かった。また,患者は話し合いの流れからはずれた発言が多かった。以上の結果より,患者の話し合いは正常集団に比べて,主題がしぼれず,話の流れが混乱しやすく,情報収集や検討・吟味を不十分にしたまま結論を急ぐことが明らかになった。以上の結果を分裂病の認知・思考の障害との関連で考察した。さらに,分裂病患者小集団に対する職員の治療的関与の技法を検討した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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