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文献概要
特集 精神科診療所をめぐる諸問題 現実と課題
行動療法の立場から
著者: 高石昇1
所属機関: 1高石クリニック
ページ範囲:P.1061 - P.1067
文献購入ページに移動I.はじめに
筆者自身の診療の実態について詳細な報告を求められることは,学術的なシンポジウムに招かれるのとは,およそ趣を異にするかなり気の重いものである。その内容は治療の成功談のようなきれい事に終始するわけには決していかないだろうし,所詮,支払基金や税務署を横目で気にしながらの生臭い開業医の生態にふれねばならず,そして何よりも自己嫌悪のかたまりのような質の低い診療の実態を白日の下に曝さなければならないからである。
しかし,この気の重い告白こそが,本特集の意図するところであり,そこにわが国の精神科診療所医の今後の努力への出発点を求めるのだとすれば,たとえその結果,欧米の臨床精神科医をして眼を白黒いや白青させるような実態がうかびあがろうと,肚をすえて赤裸々にこれを伝える他はないと覚悟をきめた。
筆者自身の診療の実態について詳細な報告を求められることは,学術的なシンポジウムに招かれるのとは,およそ趣を異にするかなり気の重いものである。その内容は治療の成功談のようなきれい事に終始するわけには決していかないだろうし,所詮,支払基金や税務署を横目で気にしながらの生臭い開業医の生態にふれねばならず,そして何よりも自己嫌悪のかたまりのような質の低い診療の実態を白日の下に曝さなければならないからである。
しかし,この気の重い告白こそが,本特集の意図するところであり,そこにわが国の精神科診療所医の今後の努力への出発点を求めるのだとすれば,たとえその結果,欧米の臨床精神科医をして眼を白黒いや白青させるような実態がうかびあがろうと,肚をすえて赤裸々にこれを伝える他はないと覚悟をきめた。
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