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文献詳細

雑誌文献

精神医学24巻11号

1982年11月発行

研究と報告

初老期痴呆3例の発病初期にみられたうつ病様状態

著者: 三山吉夫1

所属機関: 1宮崎医科大学精神科

ページ範囲:P.1169 - P.1175

文献概要

 抄録 痴呆患者にみられるうつ病様状態には,内因性うつ病や反応性うつ病の併発の他に,痴呆の部分症状としてのみせかけのうつ病様状態がある。初診時にうつ病と診断され,経過観察中に痴呆が明らかとなった3症例について,その臨床経過を報告し痴呆患者にみられるみせかけのうつ病様状態の特徴について考察した。このみせかけのうつ病様状態には,①悲哀感の乏しさ,②深刻感の欠如,③病態無関心〜否定,④促せば渋滞なく行動するが,放置すれば何もしない,⑤症状の動揺がみられない,⑥抗うつ剤に反応しない,などの特徴がみられ,これらが"器質性"を示唆する手がかりとなる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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