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雑誌詳細

文献概要

研究と報告

Werner症候群の脳波異常と精神症状について

著者: 大山繁1 下地明友1 舛井幸輔1 松永哲夫1 佐藤真弓2 野上玲子3

所属機関: 1熊本大学医学部神経精神科 2飯塚病院精神科 3熊本大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.1177 - P.1184

 抄録 Werner症候群の5例を報告した。5例とも,早期老化現象,皮膚症状,特異な体型と顔貌,性機能異常,両側性白内障などを備えていた。うち3例に,幻覚・妄想,拒絶症,自殺企図,情意減弱状態などさまざまな精神症状を認め,また2例に子供っぽさ,気分易変,易怒,抑制欠如などの情意障害を認めた。5例全てにdiffuse α activityやslow α activityなどの基礎律動の異常と,両側同期性徐波群発がみられ,さらに2例にはFIRDAも認められた。
 自験例にみられた脳波異常について考察を行い,内分泌異常や慢性皮膚疾患と間脳視床下部との関連性から,徐波群発やFIRDAはWerner症候群における間脳視床下部の機能異常の反映と考えた。また精神症状にも同部位の機能異常が関与しているものと推測した。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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