文献詳細
文献概要
短報
抗てんかん剤の長期服用中に発症したSLEについて
著者: 市川忠彦1 須田一2
所属機関: 1筑波大学臨床医学系精神医学 2茨城県立中央病院内科
ページ範囲:P.1227 - P.1230
文献購入ページに移動ある種の薬剤を長期間服用していると,臨床的にも,血清学的にも自然発症の全身性エリテマトーデス(SLE)ときわめて類似した病態を呈してくることがある。これらは,通常,drug-induced lupus3)と言われ,hydralazine,procainamideなどが代表的な誘発薬剤とされているが,diphenylhydantoinも関係の深い薬剤としてよく知られている。
このdrug-induced lupusが臨床的に重要な位置を与えられているのは,現在なお原因不明とされているSLEの発症機序を解明していくうえに,ひとつのモデルと考えられるからである。
著者らは,最近diphenylhydantoinを含む抗てんかん剤の長期服用中に発症したSLEの1例を経験したので,drug-induced lupusとの関連を中心に,若干の考察を加えて報告したい。
掲載誌情報