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特集 アルコール依存症の精神医学—東京都精神医学総合研究所 第10回シンポジウムから
はじめに
著者: 加藤伸勝1
所属機関: 1京都府立医科大学精神医学教室
ページ範囲:P.1270 - P.1270
文献購入ページに移動 元来,精神医学の本流を歩む臨床家や研究者の関心は内因性精神病や神経症に向けられ,アルコールや薬物依存の臨床や治療に手を染める精神科医は少なかった。
アルコール依存症は,対象患者が多いわりには,その臨床像がとらえにくく,また治療面でも有効な手段も乏しかった。さらに,依存者をめぐる社会心理面の複雑さもあり,疾患として生物学的,または心理学的次元で対応できないもどかしさがあり,biopsychosocial disorderとして精神医学の中で特殊な位置を占める疾患である。したがって,アルコール問題に立ち入る精神科医は思慮の浅い精神医学のアウトサイダーの評があった。今日でもその評価はあまり変っていない。
アルコール依存症は,対象患者が多いわりには,その臨床像がとらえにくく,また治療面でも有効な手段も乏しかった。さらに,依存者をめぐる社会心理面の複雑さもあり,疾患として生物学的,または心理学的次元で対応できないもどかしさがあり,biopsychosocial disorderとして精神医学の中で特殊な位置を占める疾患である。したがって,アルコール問題に立ち入る精神科医は思慮の浅い精神医学のアウトサイダーの評があった。今日でもその評価はあまり変っていない。
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