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文献詳細

雑誌文献

精神医学24巻12号

1982年12月発行

研究と報告

成人型境界例についての臨床的考察

著者: 森省二1 大原貢1

所属機関: 1愛知医科大学神経精神医学教室

ページ範囲:P.1313 - P.1321

文献概要

 抄録 境界例は最近注目を集めている(臨床)疾患単位の1つである。それは発病年齢,病像,精神病理などの点から青年期に特有の病態とされている。しかし臨床場面において,稀ではあるが青年の境界例(青年型境界例)とよく似た病像や精神病理をもつ大人の患者に出合うことがある。このような大人の境界例(成人型境界例)に関する言及は,これまであまりなされていないようである。われわれは成人型境界例と思われる4例を経験したので報告するとともに若干の考察を加えた。彼等はうつ状態を呈して来院することが多いので,はじめに笠原・木村のうつ状態の臨床的分類に照合し,次にDSM-Ⅲの「境界人格障害」を「分裂型人格障害」に照合して臨床診断学的に「境界例」であることを確かめた。更にそれらの成人型境界例と青年型境界例を比較することから,成人型境界例の特徴を浮き彫りにすることを試みた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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