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研究と報告
初老期以後のせん妄—5年間の臨床統計およびhypoactive delirium(Lipowski)について
著者: 高橋三郎1
所属機関: 1旭川医科大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.1323 - P.1332
文献購入ページに移動 抄録 最近5年間に観察した50歳以上の患者にみられたせん妄について,臨床的検討を行った。
新患663名中,初診時にせん妄を認めたものは73名(11.0%)で,男性は329名中51名(15.5%),女性は334名中22名(6.6%)であり,加齢とともにその頻度は漸増した。基礎疾患では脳動脈硬化症(または多発梗塞性痴呆),心因反応脳血栓などが多く,せん妄の誘因としては入院直後の環境変化,疾患に対する不安感,薬剤使用などが高頻度であった。
臨床像では,夜間不眠で日中ウトウトするhypoactive delirium(Lipowski)がしばしばみられ,その1典型例を報告した。また基礎疾患に関係なく,大部分は2週間以内にせん妄が消褪した。
以上の結果に基づき,とくにhypoactive deliriuim,誘因としての薬剤,せん妄への対策などにつき考察した。
新患663名中,初診時にせん妄を認めたものは73名(11.0%)で,男性は329名中51名(15.5%),女性は334名中22名(6.6%)であり,加齢とともにその頻度は漸増した。基礎疾患では脳動脈硬化症(または多発梗塞性痴呆),心因反応脳血栓などが多く,せん妄の誘因としては入院直後の環境変化,疾患に対する不安感,薬剤使用などが高頻度であった。
臨床像では,夜間不眠で日中ウトウトするhypoactive delirium(Lipowski)がしばしばみられ,その1典型例を報告した。また基礎疾患に関係なく,大部分は2週間以内にせん妄が消褪した。
以上の結果に基づき,とくにhypoactive deliriuim,誘因としての薬剤,せん妄への対策などにつき考察した。
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