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文献詳細

雑誌文献

精神医学24巻12号

1982年12月発行

研究と報告

一登校拒否児童の治療経過と「家族」画の変化

著者: 上野郁子1 石川元1 鈴木康譯1 大原健士郎1

所属機関: 1浜松医科大学精神神経学教室

ページ範囲:P.1341 - P.1348

文献概要

 抄録 いわゆる登校拒否の研究は,最近になり内外ともに活発となってきたが,その診断・分類・治療については,取り扱う立場によりかなり異なっている。今回われわれは,幼稚園時期より断続的に登校拒否をくり返している10歳(小学校4年生)の男子に対し,患児の知能がborderlineであること,患児をとりまく環境(家族内力動,担任教師)にも問題がある点を考慮し,多くの治療法の中で,描画(合同動的家族描画)を選択した。登校拒否の治療経過で,描画を用いた報告は数多くあるが,単なる評価尺度として,また家族のダイナミズムを知ろうとする目的で施行されているものがほとんどである。本症例は,施行された家族画が,前記の目的だけでなく治療においても,大きな意義を持つものであることを示唆していると思われたので,ここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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