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文献詳細

雑誌文献

精神医学24巻12号

1982年12月発行

研究と報告

精神分裂病様状態の先行した若年型ハンチントン舞踏病の1例

著者: 喜多成价1 柏井洋平1 林剛1 岡本重一1

所属機関: 1関西医科大学精神神経科学教室

ページ範囲:P.1357 - P.1362

文献概要

 抄録 若年に発病し,舞踏病顕現の約10ヵ月前から分裂病様状態の出現していたハンチントン舞踏病の1例を報告し,若年発病と分裂病様状態の先行の2点に関し,文献例とともに考察した。1)若年発病はそれほど珍しいことではない。一般的には否定されているが,一部にはAntepositionを示唆する家系がある。若年発病例は大多数が父親から因子を継承しており,同胞発病の場合は異母兄弟例を含めて全例が若年発病の点で一致し,従って非発病親(多くの場合母親)からの因子に影響された結果とは考え難い。2)ハ病に分裂病様状態の出現は珍しくない。多くはかなり進行した時期の痴呆を背景としたものであるが,早期ことに舞踏病に先行出現するものもあり,その場合は分裂病とまぎらわしい。分裂病との合併として期待しうる数字よりはかなり頻繁で,ことに本例のごとく症状面でも分裂病像とは些か趣を異にする場合,ハ病の初期症状に属するものが多い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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