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短報
右後頭葉内側部の出血で方向定位の障害を呈した1例
著者: 三山吉夫1 徳丸泰稔2
所属機関: 1宮崎医科大学精神神医学教室 2宮崎若久病院精神科
ページ範囲:P.1364 - P.1367
文献購入ページに移動I.はじめに
方向定位の障害は視空間失認に属し,地誌的障害の一症状であり,右後頭葉にその機能の局在が推定されている。視空間失認は初老期痴呆の代表的疾患であるAlzheimer病でもみられ,臨床診断上重視される症状でもあるが,Alzheimer病では病変がびまん性であるために,この症状と脳の病変との関係を検討することは必ずしも容易ではない。われわれは右後頭葉内側部に限局した病変を有し,方向定位の障害が唯一の症状であった症例を経験した。本症例は,大脳半球の機能を検討するのに都合のよい症例と思われるので報告する。
方向定位の障害は視空間失認に属し,地誌的障害の一症状であり,右後頭葉にその機能の局在が推定されている。視空間失認は初老期痴呆の代表的疾患であるAlzheimer病でもみられ,臨床診断上重視される症状でもあるが,Alzheimer病では病変がびまん性であるために,この症状と脳の病変との関係を検討することは必ずしも容易ではない。われわれは右後頭葉内側部に限局した病変を有し,方向定位の障害が唯一の症状であった症例を経験した。本症例は,大脳半球の機能を検討するのに都合のよい症例と思われるので報告する。
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