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文献詳細

雑誌文献

精神医学24巻3号

1982年03月発行

文献概要

研究と報告

アルコール依存スクリーニングテスト(Alcohol Dependence Screening Test)開発の試み

著者: 三田村幌1 山家研司1 岡本宜明1 小片基2

所属機関: 1旭山病院精神神経科 2北海道精神衛生センター

ページ範囲:P.281 - P.297

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 抄録 Alcohol Dependence Screening Test(ADST)はalcohol dependenceを抽出することを主な目的として,alcohol related disabilitiesを問うものであり,被験者に122項目からなる質問用紙に自分で記載させ,それを検者はscoring sheetを用いて採点し,アルコール依存の存否と,いかなるアルコール関連障害があるのかを知ろうとするものである。NAC診断基準とWHO研究者会議の見解を基本的立場とする本法は,多面的観点からの評価をめざし可能な限りの症状を簡単な質問の中に網羅した。加重点の決定についても臨床的かつ客観的な方法を独自に試みてみた。その結果331名のアルコール依存者のうち93.7%をわれわれの評価基準で抽出することができた。正常なパターンを示したものは2.4%にすぎなかった。一方210名の対照群の中に5.7%のアルコール依存の疑われたものが存在した。アルコール関連障害の測定や,否認の抽出にはまだ不充分さを残すが,全体のプロフィールからさらに多くの知見を得ることが期待できる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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