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文献詳細

雑誌文献

精神医学24巻4号

1982年04月発行

文献概要

特集 視覚失認

視知覚の神経生理学

著者: 酒田英夫1

所属機関: 1財団法人東京都神経科学総合研究所

ページ範囲:P.367 - P.380

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I.はじめに
 網膜から取り込まれた視覚情報は脳の中でどのような処理を受けて意識にのぼる知覚を起こすのだろうか?今から20年ほど前に,HubelとWiesel7)はネコの視覚野でスリットやエッジに反応する細胞を見つけ,これらが知覚の建築用ブロック(building block of perception)であろうと述べた。しかし視覚中枢のニューロンと知覚現象の直接的な対応がつけられたのは,Bishop4)やBarlow2,3)による両眼視差識別細胞や運動方向選択細胞などの研究で立体視や仮視運動のメカニズムが明らかになったのがはじめである。
 1970年代になって,より高次の視覚前野や連合野で神経生理学的研究が行われるようになって,色彩の知覚,形の知覚,運動の知覚,視空間の知覚などのメカニズムが次第に明らかになりつつある。そこで今回は視知覚の中枢機序についての最近の話題を拾って紹介する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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