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文献詳細

雑誌文献

精神医学24巻4号

1982年04月発行

文献概要

特集 視覚失認

いわゆる“物体失認”

著者: 野上芳美1

所属機関: 1日本大学医学部精神神経科

ページ範囲:P.391 - P.398

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I.はじめに
 神経心理学の歴史上,物体失認は視覚失認のなかでも特に問題のある対象として論争がくりかえされてきた。そもそも〈失認〉と呼ぶに値する実体があるのか,そのような現象の成立機制は何かということは,この領域の権威とされる人びとが論争を重ねてきたにも拘わらず,万人が同意するような結論は得られなかった。このような状況の下で,ここに筆者が新たに付け加えられることがあるとは思われないが,筆者なりに一応総括して話題を提供したい。
 この種の発表では,自己の症例や経験に基づいて語るべきであるが,かつて筆者の経験した症例26)は,物体失認としては純粋例とは言い難く,本稿において考察の素材とはしがたいので,文献例に依存せざるを得ないことをお断りしておきたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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