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研究と報告
チック及びGilles de la Tourette症候群における声の現象—心理治療の経験に基づいて
著者: 森谷寛之1
所属機関: 1愛知医科大学心理学教室
ページ範囲:P.491 - P.501
文献購入ページに移動 抄録 チックやGilles de la Tourette症候群に関する研究論文は従来から報告されているが,その声の現象自身に焦点を当て,論じた報告は筆者の知るかぎりみられないように思われる。ここでは心理治療に携わった5症例をもとにして,特に声の現象を中心に報告し,症状としての声の意味について考察を行った。
チック症者は声や音を出すことに強い抵抗を持っているが,一方,声や音を通じて強い自己主張を行う。
家族との争いと和解は,声や音,特に音楽や歌という形で表現されることが多い。家族力動の要として,音声の問題が現われる。
チックの声は決して無意味な騒音ではなく,奇声という形ではあるが,やはり他者に声を掛けているのであり,その呼びかけに如何に応答し,コミュニケーションできるかが治療の鍵となるように思われる。
チック症者は声や音を出すことに強い抵抗を持っているが,一方,声や音を通じて強い自己主張を行う。
家族との争いと和解は,声や音,特に音楽や歌という形で表現されることが多い。家族力動の要として,音声の問題が現われる。
チックの声は決して無意味な騒音ではなく,奇声という形ではあるが,やはり他者に声を掛けているのであり,その呼びかけに如何に応答し,コミュニケーションできるかが治療の鍵となるように思われる。
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