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研究と報告
文献概要
抄録 症例は36歳の男性。満1歳頃重篤な疫痢に罹患。その後発語発達がなかったが,社会生活では特に問題なく経過した。34歳になり,流誕と語唖を主訴に初めて受診し,顔面失行を伴う構音失行(発語失行)と考えられた。その後自ら歌を練習したりして発語訓練に積極的である。
本例は高度の脳室拡大を伴い,それと関連した基盤をもとに生じたと思われる発語障害で,浅川らの言う発達性失行性構音障害に属するものと考えられる稀な症例である。本例の特徴は軽度ながら発語が改善された点である。それには顔面失行が比較的軽度なこと,放棄していた発語意欲がでてきたこと,singing therapyの効果などが考えられる。
本例は高度の脳室拡大を伴い,それと関連した基盤をもとに生じたと思われる発語障害で,浅川らの言う発達性失行性構音障害に属するものと考えられる稀な症例である。本例の特徴は軽度ながら発語が改善された点である。それには顔面失行が比較的軽度なこと,放棄していた発語意欲がでてきたこと,singing therapyの効果などが考えられる。
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