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研究と報告
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抄録 精神分裂病と血小板MAOとの関係を明らかにするたあ,健常者および分裂病者の血小板MAOをtryptamineを基質として測定した。
全体(n=115)では3.27±0.144n mol/mg/h,分裂病者(n=75)では2.89±0.13n mol/mg/h,健常者(n=40)では3.98±0.29n mol/mg/hであった。この結果,分裂病者の血小板MAO活性は健常者の活性と比較して有意に低いことが明らかになった。また血小板MAO活性には健常者でも,分裂病者でも性差がみられ,女子は男子に比べ高値を示した。
血小板MAO活性低値と分裂病の病型,幻覚・妄想の有無,遺伝負因,転帰などとの関係の有無を調べた。その結果,分裂病性欠陥状態が重症となるにつれて,血小板MAO活性が低くなってゆく傾向が認められた。このことより,血小板MAO活性が分裂病における病的過程の生物学的指標となり得る可能性が示唆された。
全体(n=115)では3.27±0.144n mol/mg/h,分裂病者(n=75)では2.89±0.13n mol/mg/h,健常者(n=40)では3.98±0.29n mol/mg/hであった。この結果,分裂病者の血小板MAO活性は健常者の活性と比較して有意に低いことが明らかになった。また血小板MAO活性には健常者でも,分裂病者でも性差がみられ,女子は男子に比べ高値を示した。
血小板MAO活性低値と分裂病の病型,幻覚・妄想の有無,遺伝負因,転帰などとの関係の有無を調べた。その結果,分裂病性欠陥状態が重症となるにつれて,血小板MAO活性が低くなってゆく傾向が認められた。このことより,血小板MAO活性が分裂病における病的過程の生物学的指標となり得る可能性が示唆された。
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