文献詳細
文献概要
研究と報告
てんかん薬物治療の単純化—慢性患者における併用薬剤数減少の試み
著者: 久郷敏明1 細川清2
所属機関: 1国立岩国病院神経科 2岡山大学医学部神経精神科
ページ範囲:P.629 - P.635
文献購入ページに移動 抄録 てんかんの薬物治療は,従来多剤併用の傾向があった。しかし,最近のてんかん治療学の立場からは,これに対する多くの批判が寄せられている。著者らは,てんかんの薬物治療単純化の一環として,慢性患者を対象に併用薬剤数の減少を試みた結果,以下に要約される結果を得た。対象は,平均治療期間12.3年を有する成人てんかん患者115例である。
併用薬剤数は,平均3.6剤から2.0剤に減少しえた。単剤処方43例(37.4%),2剤以下77例(67.0%)となった。薬剤では,phenytoinは半減し,二次剤の大多数は中止できた。一次剤でも,用量が適量以下と思われる少量使用例では中止できた。3症例で,離脱発作(withdrawal seizure)と思われる発作の再燃をみた。
以上の結果に基づいて,若干の考察を行い,薬物治療単純化の必要性を述べた。
併用薬剤数は,平均3.6剤から2.0剤に減少しえた。単剤処方43例(37.4%),2剤以下77例(67.0%)となった。薬剤では,phenytoinは半減し,二次剤の大多数は中止できた。一次剤でも,用量が適量以下と思われる少量使用例では中止できた。3症例で,離脱発作(withdrawal seizure)と思われる発作の再燃をみた。
以上の結果に基づいて,若干の考察を行い,薬物治療単純化の必要性を述べた。
掲載誌情報