icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学24巻6号

1982年06月発行

短報

Tardive dyskinesia例に認められた特異なcorpora amylacea分布

著者: 今岡健次1 中村晴臣1 久葉周作2 杉原寛一郎2 小椋力3

所属機関: 1鳥取大学医学部脳神経病理 2安来第一病院 3鳥取大学医学部神経精神科

ページ範囲:P.658 - P.661

文献概要

I.はじめに
 遅発性ジスキネジア(tardive dyskinesia)はSigwaldら(1959年)の最初の報告以来,現在までに種々の報告がなされている。本ジスキネジァは非可逆的な不随意の常同的,リズミカルな運動があらゆる筋群に発生する。しかし,大半が口唇,舌,顎に発生することから,buccolinguomasticatory dyskinesiaとかoral dyskinesiaともいわれる。原因としては向精神薬等の薬物の副作用(drug-induced)と老齢化(spontaneous)が考えられている。
 病理形態学的には,いまだ十分な知見を認められておらず,さらに神経病理学的検索が要求されているのが現状である。著者らは長期にわたって向精神薬(chlorpromazine)を服用しtardive dyskinesia症状を示した1例を剖検する機会を得,両側淡蒼球外節に限局して無数のcorpora amylacea(以後C. A. と略す)を認あた。本例のC. A. の淡蒼球外節における分布を,対象(100例)と比較し,若干の考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら